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(ブログ&治療例)コンポジットレジン修復

2016. 2. 5.

練馬区大泉学園 北口徒歩3分の歯医者 山中歯科の山中大輔です。

 

今回は、歯の修復方法の一つ、「コンポジットレジン修復」について紹介します。

 

虫歯によって歯質(歯の一部)が無くなった場合、従来の方法として「歯型を採って金属(インレー)を詰める方法」が主流でした。

これは、「金銀パラジウム合金」という金属を溶かして製作するものになりますが、日本の健康保険にしかないものです。

しかし、この治療方法は、様々なメディアにより金属アレルギーの問題が取り上げられていますし、金属自体の価格も毎年にように高騰しておりますので、歴史的には減っていく治療になると思います。

 

私は学部4年生の頃から、患者さんのインレーなどを自ら製作していましたので、個人的には好きな治療方法です。

 

「石膏模型の上で、ワックスによって歯を回復させ、埋没材で埋没した後に、ファーネスで埋没体を加熱してワックスを溶かし、出来た隙間に溶かした金属を流し込む」

 

(技工士さんの仕事ですが)、周りの雑音が無い、夜遅くにこのような作業をしていると、余計な事をまったく考えずに集中できるため、結構楽しんで作業していたのを思い出します。

 

(金属のアクセサリーや器械部品なんかは、同じような方法で製作するのだと思っていましたが、ここ数年で急速に普及してきた「3Dプリンター」があれば上記のような作業は皆無になるので、今後は歯科修復物もアクセサリーも、ありとあらゆるものが3Dプリンターで製作されるようになると思います。産業の発展と時代の流れなので仕方ないのですが、少しさみしく感じますね。)

 

さて、題名にある「コンポジットレジン修復」とは、金属を使用せず代わりにコンポジットレジンという樹脂を用いて虫歯の部分を埋める治療方法になります。最大の利点は「インレー修復と比較して歯を削る量が最小限になる」 ことだと言えます。

 

インレー修復の場合、上から被せていくために、健康な歯の部分も少なからず削る必要があるのですが、コンポジットレジン修復の場合は虫歯の部分だけを削ることで治療が可能になります。

コンポジットレジンの物性と、接着技術(歯とコンポジットレジンをくっつける技術)が急速に発展したために、近年では、インレー修復よりもコンポジットレジン修復を選択する機会もが多くあります。

 

また、コンポジットレジン修復の技術については日本は先進国ですので、今後ますます良い材料が開発されていくと思います。前述した「金銀パラジウム合金による修復」は日本でしか行われていなかったために、代わりとなる治療方法の開発が急がれていたのでしょう。

 

現段階では、レジンアレルギーの方はまれですので、比較的安心して受けられる治療だと思います。

 

下のケースですが、一番奥の歯の裏側が虫歯になってしまった(一番虫歯になりやすい場所の一つです)ため、虫歯の部分を削りとった状態になります。

 

コンポジットレジン (1)

 

この部分を金属修復するには、歯を大きく削ってから被せる必要があるため、コンポジットレジン修復を選択しました。

 

コンポジットレジン (2)

 

このように、虫歯になった部分だけを充填することで、余計に歯を削らずに済みました。

 

次のケースは、元々の虫歯が大きく、歯の神経の治療(詳しくはコチラをした患者さん。

 

コンポジットレジン (3)

 

この部分をインレー(金属)で被せても良いのですが、歯質が多く残っていますし、コンポジットレジン修復の方が封鎖性が良いと判断しました。

 

コンポジットレジン (4)

 

コンポジットレジン (5)

 

少し歯に似せるようにしてコンポジットレジンで修復してあります。

 

このコンポジットレジン修復の中でも、「マイクロスコープ(もしくは強拡大のルーペ)」で確認しながら、完全防湿した状態で、しっかり時間をかけ、精密に歯の形態と色調を再現していく技術を「ダイレクトボンディング」と呼びますが、最近では、多くのケースが「ダイレクトボンディング」法で修復可能になりました。(ただし、歯のほとんどが虫歯になっていたり、強度が求められる部分には適応できない場合もあります。)

 

世の中には、ダイレクトボンディング技術の専門性が高い先生もいらっしゃいます。そのような先生の手にかかると「元の歯にもどった」と錯覚するような事も少なくありません。

私もそのような先生の症例を拝見させて頂いたり、日々書籍や文献での症例に目を通すようにしています。

今後も様々な技術を習得・向上させ、当院に来院された患者さんへ還元していきたいと思います!

 

 

山中歯科 山中大輔

 

 

 

 

 

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