山中歯科ブログ

HOME > 山中歯科ブログ ≫ インプラント治療 ≫ (治療例)オーダーメイドな歯科治療「カスタムアバットメント」

山中歯科ブログ

(治療例)オーダーメイドな歯科治療「カスタムアバットメント」

2016. 4. 14.

練馬区大泉学園 北口徒歩3分の歯医者 山中歯科の山中大輔です。

山中歯科では、様々な原因で歯を欠損してしまった方に対し、精密な入れ歯やインプラント治療で補う「欠損補綴」を得意分野として診療しております。

 

歯科治療は生体を相手にしているため、実際の治療はほとんどすべてが「オーダーメイド」という事になります。

中でも、「欠損補綴治療」は、すべての治療がオーダーメイドです。

 

皆さんの顔や体型が一人一人異なる様に、歯の色や形も患者さんごとに異なります

また歯だけでなく、歯を支える歯茎や骨の量も違ってきますし、顎の大きさや顎を動かす筋肉の量も違ってきます。

患者さん一人一人に合うように治療していくため、学問的に統一するのは困難な事も多く、先人達の知見を基に診断していくことも多いわけです。

 

しかし、近年のデジタル産業の発展と共に、歯科治療で使用する材料においては、今までに無かったものが急速に開発されています。

 

下の写真でお見せするのは、インプラント治療で使用する「アバットメント」というパーツになります。

 

アトランティスアバットメント

デンツプライ社 アトランティスアバットメント

いわゆる「インプラント」と呼ばれる治療では、歯槽骨に埋入される部分「インプラント体」と、歯の頭の部分である「上部構造物」、その2つの間にある中間構造体「アバットメント」の3つのパーツを使用します。(2つのパーツで行うシステムもありますが当院では3パーツのシステムを採用しております)。

 

この「アバットメント」によって、上下のパーツの角度補正や、より自然な上部構造物の製作が可能になるため、その機能は非常に重要になります。またアバットメントには、「形態が決まっている既成アバットメント」と「形態をオーダーメイドするカスタムアバットメント」の2種類がありますが、カスタムアバットメントの方が優位な点が多く存在するため、現在ではカスタムアバットメントが主流と言われています。

 

さらにこの「カスタムアバットメント」の中にも、「金属を溶かしてキャストするタイプ」のものや、「削って形を作っていくタイプ」がありますが、どちらも「技工士」という職人さんが製作するものでした。

しかし最新のものには、「模型を光学印象(3Dスキャナー)し、シュミレーションソフト上(パソコン)で形態を設計、その後切削機器(3Dプリンター)がブロックを削って製作する」というタイプが存在します。

 

このタイプのアバットメントを「CADCAMカスタムアバットメント」と呼びますが、他のタイプのアバットメントと比較しても、補綴設計(被せ物の設計)に有利であり、インプラント周囲炎(インプラントの周りの歯周炎)も起こしづらいなどの優位な点も多いため、当院では開業以来、すべてのインプラント治療でこの「CADCAMカスタムアバットメント」を応用して治療を行っています

 

カスタムアバットメント1

右上に見える灰色のものが「アバットメント」と言われる部分です。歯の頭の部分を支える「支柱」と考えるとイメージしやすいです。

 

カスタムアバットメント2

違うケースですが、アバットメントを横から見るとこのような形に。歯肉の量も患者さんごとによって異なるので、周りの組織に調和するように設計していきます。

 

カスタムアバットメント3

 

この「アバットメント」の設計がインプラント治療において重要な工程になるため、超精密な機器で製作していく「CADCAMカスタムアバットメント」は今後すべてのインプラントシステムで採用されていくと思います。

 

ここまではなんとなくイメージが出来るかもしれませんが、実はこの「CADCAMカスタムアバットメント」を作り出す機械・会社にも種類があり、今後も様々なものが開発されていきます。

そこまで行くと歯科医師一人が自分で調べるのは困難な事が多く、メーカーの方に詳しく話を聞いたり、違うインプラントシステムや違う会社のCADCAMアバットメントを使用している先生の話を聞いたりしながら判断していくしかないわけです。

 

インプラント治療に限らず、歯科治療に100%成功は絶対あり得ませんので、トラブルが生じるリスクが低いもの、何かトラブルが合った時に修理・対応しやすいもの、を自分で選択して、かつ患者さんごとに決めていく必要があるわけです。

 

そんな中、最新のCADCAMカスタムアバットメントである「デンツプライ社製アトランティスアバットメント」が昨年より日本国内で扱われるようになりました。当院で使用しているインプラントシステムもデンツプライ社が取り扱っているため、取り扱いや、パーツ、保守などの点も優位なため、他社より高価ではあるものの使用することにしました。

 

下の写真が「アトランティスアバットメント」とその上に装着する上部構造物になります。

 

カスタムアバットメント4  カスタムアバットメント5

 

今後も、様々な材料やシステムなどが開発・販売されていくと思いますが、継続して知識をアップデートしながら確実なものを選択し、当院へ来院される患者さんの健康増進に寄与していきたいと思います。

 

山中歯科 山中大輔

 

 

 

Copyright © 大泉学園駅の歯科 東京都練馬区の歯医者